研究概要 |
パルス強磁場発生用コンデンサーバンクの改良(28Tの発生) 今までに我々は手製のコンデンサーバンク(2.4mF 4kV)を用いて22T(3kV充電)でパルス幅2.5msのパルス強磁場の発生を可能にしている.この結果からこのコンデンサーバンクをフル充電(4kV)で使用すれば28Tの強磁場発生が可能であると予測される.ジャイロトロンの高周波数領域の利用に伴い,より強磁場の発生が必要となる.そこで我々のコンデンサーバンクをフル充電で使用するために改良を行った.またマグネットに関しても銅線より高強度の銀銅合金線を用いて製作した.その結果35Tまでのパルス強磁場の発生が可能になった. Gyrotron FUIVAの長パルス動作 通常,ジャイロトロンのパルス動作は100μ程度で行われている.上述のようにパルス磁場の幅は2.5msなので,ジャイロトロンのパルス幅を5-10msで動作させる必要がある.現在までにジャイロトロンの電源の改造を行い10msの動作を可能にした.この電源を用い今までに短パルスで観測されている発振について,ロングパルス動作での発振の安定性およびその動作パラメーターについて最適化を行った.このことにより最高周波数404GHzまでのロングパルス発生が可能になった. DPPHおよびMnF_2の測定 標準物質の測定としてDPPH(常磁性共鳴)およびMnF_2(反強磁性共鳴)の測定を行い製作した装置の性能を見積もった. CsFeCl_3の強磁場ESR測定 開発した強磁場及びジャイロトロン光源を用いCsFeCl_3のESR測定を行い30T以上での磁化過程の異常に関係するESR吸収線の観測に成功した.
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