研究概要 |
ループアルゴリズムに自己臨界的性質を組み入れるということを量子XYモデルを用いて示した。さらに富田の新しい自己臨界的アルゴリズムとループアルゴリズムの組み合せもおこなうことができた。特に2次元量子XYモデルの有限温度相転移については引きつづき数値的な実験をつづけている。さらにS=1反強磁性的bi-quadratic相互作用をもつ量子スピン系についてのループアルゴリズムが構成できることを示し、一次元の厳密解との比較をおこなった。また、このモデルの二次元系の絶対零度の量子相転移を数値的に調べた。このモデルの重要な点は、一次元の相図がわかっている事、三次元では有限温度での相転移が予想される事、二,三次元での相図はまだよくわかっていない事である。自己臨界的なループアルゴリズムを適用するモデルとして好都合と考えられる。今年度の数値的研究により二次元の絶対零度との相図が求とまった。二次元での二つの相転移点とアルゴリズムを講成するグラフが変化する点とが一致することがわかった。さらにこれらの転移が一次的であることも示した。
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