• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

エネルギー準位統計における高次相関の普遍性と量子系の半古典論

研究課題

研究課題/領域番号 12740246
研究機関大阪大学

研究代表者

永尾 太郎  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263196)

キーワードランダム行列 / 量子準位統計 / 行列模型 / 格子ゲージ理論
研究概要

量子系のエネルギー準位統計において発見された準位分布のゆらぎの普遍性は、不純物を含む半導体の固体物理や量子カオス系の半古典論において指導的な役割を果たす概念となり、対応するランダム行列モデルの性質の解明が飛躍的に進むことになった。近年になって、フレーバーの数に関係した1パラメータの自由度を含むより精密な形で、普遍性は格子ゲージ理論のスペクトルにも見出せることが明らかになってきた。ここで量子系の半古典極限に対応するのは、場の内部状態数無限大の極限である。量子系の半古典極限において普遍性を生じるメカニズムを明らかにするために、格子ゲージ理論からの普遍的多準位相関の導出を厳密に行った。特に、普遍的相関に対応する鞍点(内部状態数無限大の極限において積分の値に最も寄与する点)の唯一性を初めて証明した。これにより、限定された場合についてではあるが、現象論としてのランダム行列モデルに完全な微視的正当性を与えることができた。半古典量子論においても、類似の状況が起こっていることが予想されるが、その解明は将来の課題である。また、格子ゲージ理論のスペクトルに現れる普遍的多準位相関関数の具体的な関数形を厳密に評価することにも成功した。さらに、量子重力理論における行列模型に動的な多準位相関関数の評価技術を応用し、多くの相互作用するエルミート行列の中に異なる対称性(実対称、四元数自己双対または反対称エルミート)の行列が一つだけ混じっている場合について、多行列多準位相関関数が四元数の行列式の形に書けることを証明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Taro Nagao and Shinsulee M.Nishigaki: "Massive Random Matriy Ensembles at β=1 & 4 : QCD in Three Dimensions"Physical Review D. 63. 045011-1-045011-22 (2001)

  • [文献書誌] Taro Nagao: "Correlation Functions for Multi-matrix Models and Quaternion Determinants"Nuclear Physics B. (印刷中).

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi