研究課題
(1)係留観測データの解析1999-2000年冬季に北海道沿岸域湧別沖で得られたIce Profiling Sonar(IPS)のデータに加えて、Acoustic Doppler Current Profiler(ADCP)による海氷の漂流速度のデータを考慮して、氷厚の時系列データを導出した。その結果、平均氷厚については、1998-1999年のデータに見られたような2月中旬から3月下旬にかけての増加傾向(約0.4mから1.3m)は見られず、2月上旬に最大値(約1.1m)に達しており、3月には0.6-0.7m程度であったことが明らかになった。また、最大氷厚については、1998-1999年の約17mに対して約12mと小さく、10mを越えるような厚いice keelの頻度も小さかった。2年間のデータに見られたこれらの違いは、北海道沿岸域では、氷厚の年々変動自体が大きいのみならず、その季節内変動の様相も年によって大きく異なることを示唆している。(2)更なる係留観測の実施2000年4月には、湧別沖に1999年12月から設置していたIPSおよびADCPの回収を行った。6月には、サハリン北端沖に1999年9月から設置していたIPSおよびADCPの回収を行ったが、IPSについては、電源系統の不具合のために、データを取得することが出来なかった。11月には、過去2年間と同様に、湧別沖にIPSおよびADCPを設置し、現在観測中である。
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