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2001 年度 実績報告書

X線結晶解析による有機フォトクロミック化合物の着色体構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12740341
研究機関東京大学

研究代表者

原田 潤  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00313172)

キーワードX線結晶解析 / フォトクロミズム / 固相反応
研究概要

フォトクロミックなサリチリデンアニリン誘導体であるN-3, 5-ジ-tert-ブチルサリチリデン-3-ニトロアニリンの淡黄色結晶にパルスレーザー光(λ=730nm)を照射したところ二光子励起を経て暗赤色に変化した.この結晶にXeランプを用いて可視光(λ>530nm)を照射すると元の淡黄色に戻った.この色変化に伴う分子構造の変化をX線結晶解析で決定した.その結果から,結晶中におけるサリチリデンアニリン類のフォトクロミズムはエノール体とトランス-ケト体との互変異性に由来することが明らかになった.他のサリチリデンアニリン誘導体の合成および単結晶の作成を行い,これらの結晶についてもパルスレーザー光を照射することで,二光子励起を経て着色体を生成することができた.また,サリチリデンアニリンと類似した分子骨格を持つ化合物について高精度のX線結晶解析を行うことで,これらの分子が一般に結晶中でペダル運動を行っていることを明らかにすることが出来た.この結果から,サリチリデンアニリン類の結晶中でのフォトクロミズムがペダル運動によって起こっていることがより確かなものとなった.また,フォトクロミックなシドノン誘導体を合成し,単結晶を作成した.この誘導体においても低温でパルスレーザー光を照射することによって,二光子励起を経て着色体を生成できることがわかった.これらの結果からフォトクロミック分子の結晶に対してパルスレーザー光を照射することで,二光子励起を経て着色体を発生させる方法が一般に適用可能であることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 原田 潤: "The Ethane Bond Length in 1, 2-Diphenylethanes"Struct. Chem.. 12. 243-250 (2001)

  • [文献書誌] 小川 桂一郎: "Thermochromism of Salicylideneanilines in Solution : Aggregation-controlled Proton Tautomerization"J. Phys. Chem. A. 105. 3425-3427 (2001)

  • [文献書誌] 原田 潤: "Invisible but Common Motion in Organic Crystals : A Pedal Motion in Stilbenes and Azobenzenes"J. Am. Chem. Soc.. 123. 10884-10888 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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