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2000 年度 実績報告書

リシンペプチドとの相互作用による電子伝達タンパク質の金属部位の構造変化

研究課題

研究課題/領域番号 12740362
研究機関名古屋大学

研究代表者

廣田 俊  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90283457)

キーワードリシンペプチド / 電子伝達タンパク質 / 金属活性部位 / 構造変化 / 電子移動反応 / 分子認識
研究概要

本研究では、電子伝達タンパク質の分子認識様式及び構造-機能相関を明らかにするため、次の研究を行った。
プラストシアニン(PC)は緑色植物などの葉緑体中に存在し、光合成反応系において電子を伝達する可溶性銅タンパク質である。PCはシトクロムb_6/f複合体のシトクロムf(cyt f)から電子を受け取り、光化学I反応中心のP700(クロロフィルα二量本)に電子を供与する。本研究では、cyt fの正電荷が集まった部位及びP700の疎水的部位のモデルとしてそれぞれリシンペプチド及びtri-Tyrを用い、これらのペプチドがPCと[Fe(CN)_6]^<4->及び[Fe(CN)_6]^<3->との電子移動反応に及ぼす影響を調べた。
[Fe(CN)_6]^<4->から酸化型PCへの電子移動反応はリシンペプチド存在下で速くなり、還元型PCから[Fe(CN)_6]^<3->への電子移動反応はtri-Tyr存在下で速くなった。リシンペプチドによる電子移動速度の促進効果は、正電荷を有するリシンペプチドがPCの負電荷が集まった部位(negative patch)と静電的に相互作用することによりPCのnegative patchの負電荷が減少し、PCと[Fe(CN)_6]^<4->との相互作用が容易になったためと解釈した。一方、バッファー濃度が高い時、tri-Tyrを共存させても還元型PCから[Fe(CN)_6]^<3->への電子移動反応速度定数は変化しなかった。この結果より、tri-TyrとPCあるいは[Fe(CN)_6]^<3->との間にも静電相互作用が働くことが示唆され、tri-Tyr存在下では、tri-TyrのN末端のカチオンと[Fe(CN)_6]^<3->、tri-Tyrの疎水的部位とPCの疎水的部位とがそれぞれ相互作用して、PCから[Fe(CN)_6]^<3->へ電子移動が起こることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Hirota and O.Yamauchi: "Weak Interactions and Molecular Recognition in Systems Involving Electron Transfer Proteins"The Chemical Record. 1(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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