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2000 年度 実績報告書

溶液中レーザーアブレーションによる金属コロイドの作製

研究課題

研究課題/領域番号 12740382
研究機関九州大学

研究代表者

辻 剛志  九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (50284568)

キーワードレーザー / アブレーション / 金属コロイド / 水溶液
研究概要

レーザーアブレーションにおいて最も重要な因子であるレーザー光の照射条件が、コロイドの生成効率、粒径にどのような影響を与えるかを検討した。照射条件として、レーザー光の波長、集光条件、照射密度について解析を行った。蒸留水中の銀、銅のターゲットに対して、様々な波長のレーザー光を用いてアブレーションを行ったところ、コロイドの生成効率、および粒径サイズには明確な波長依存性が存在することが明らかになった。さらに、アブレーション効率の波長依存性は、レーザー光の集光条件によって大きく変化し、気相中で行われているアブレーションとは全く異なった挙動を示すことが明らかになった。すなわち、レーザー光を集光して照射した場合におけるコロイドの生成効率は、光子のエネルギーの低い長波長の光ほど高くなった。この現象についてさらに詳細に解析を行った結果、レーザー光が高密度で照射された場合に生じる高濃度のコロイド粒子が、レーザー光を自己吸収することが原因であることが示唆された。したがって、溶液中におけるアブレーション効率に対しては、光子のエネルギーや金属ターゲットの照射光吸収効率に加えてコロイド微粒子による自己吸収の効率が大きな影響を及ぼすことが示された。さらに、自己吸収効果が非常に低濃度のコロイド水溶液中においても顕著に現れたことから、自己吸収は水溶液中に浮遊するコロイド微粒子による単純な吸収過程ではなく、生成直後の微粒子が同一レーザーパルスのエネルギーを吸収するという非常に高速な過程で起こることが示唆された。また、自己吸収が起こることにより、コロイド微粒子の細分化が起こり、粒径サイズにも影響を及ぼすことが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Tsuji,K.Iryo,H.Ohta,Y.Nishimura: "Preparation of metal colloids by a laser ablation technique in solution : Influence of laser wavelength on the efficiencies of colloid formation"Jpn.J.Appl.Phys.Part 2. 39(10). 981-983 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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