研究概要 |
粘菌の予定胞子細胞、予定柄細胞それぞれの細胞型への分化過程においてcAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)を活性化できない変異株(以下それぞれをpsp-Rm,pst-Rm株と略記)を親株として外来DNAの導入による挿入突然変異法を用いてこれらの株の変異形質を回復するサプレッサー変異株の単離を試みた。現在までにpsp-Rm,pst-Rm株に外来DNA導入した形質転換株をそれぞれ約5000クローンをスクリーニングしたが、目的の変異株は未だ得られていない。 また、米国ベイラー医科大学との共同研究で、PKAと相互作用するタンパク質遺伝子を酵母two-hybrid法によってスクリーニングし、6種の遺伝子を同定した。これらは既知の遺伝子に有意な相同性がみられず、新奇の遺伝子であった。現在これらの遺伝子の破壊株を作成し、形態観察およびマイクロアレイ法を用いた遺伝子発現プロファイリングにより表現型の解析を行っている。
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