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2001 年度 実績報告書

時空間的な構造が異なる生息地破壊による希少種の存続への影響

研究課題

研究課題/領域番号 12740419
研究機関静岡大学

研究代表者

佐藤 一憲  静岡大学, 工学部, 助教授 (30261382)

キーワード生息地破壊 / 希少種 / 格子モデル / 有限個体数 / 確率モデル / 時空間構造 / 絶滅 / 存続
研究概要

申請課題について,2年間にわたり受けた助成金によっておこなった研究の成果は,2つの論文にまとめられた.名古屋市立大学の清水昭信教授との共同研究では,環境収容力が十分大きい場合について,メタ個体群が絶滅するまでに要する時間の平均値を数学的に厳密に求めた.いままで知られている公式は,環境収容力がある程度大きくなると計算が煩雑で実用上は使い物にならない.そこで,われわれが得た公式によって,見通しのよい結果を与えることができる.また,環境収容力が極端に小さくない限りよい値を与えることもわかった.一方,ヘルシンキ大学のIlkka Hanski教授のグループとの共同研究では,格子モデルを用いたメタ個体群動態を解析した.全体的な生息地破壊の大きさが同じ場合に,密集しているときとばらばらなときについて,最終的に維持される個体群密度を比較した.その結果,いままで行われている計算機シミュレーションによるいくつかの研究報告と同じように,生息地破壊は固まって生じる方が個体群密度は高く維持されることがわかった.われわれの結論は,ペア近似とメタ個体群収容力の2つの方法によって定性的に得られたところに特徴がある.これらの研究成果は,保全生態学的な観点から,希少種の存続を考えるための基礎的なモデル解析として,今後の発展に結びつくものであると信じている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐藤一憲: "生息地の破壊がもたらす個体群動態への影響"数理解析研究所講究録. 1193. 41-43 (2001)

  • [文献書誌] O. Ovaskainen: "Metapopulation models for extinction threshold in spatially correlated landscapes"J. theor. Biol..

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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