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2000 年度 実績報告書

一夫多妻魚類の性転換プロセスにみられる未受精産卵の機能

研究課題

研究課題/領域番号 12740429
研究機関九州国際大学

研究代表者

坂井 陽一  九州国際大学, 経済学部, 講師 (70309946)

キーワード魚類 / 一夫多妻 / 性転換 / 性行動 / 未受精産卵 / 社会順位 / 行動生態学
研究概要

1 雌から雄への順方向性転換
沖縄県瀬底島のサンゴ礁において実施したハレム魚キンチャクダイ科ナメラヤッコの雄除去実験の結果解析を進めた。雄消失時にハレムの最大雌がすみやかに雄の性的行動を開始できなかった例では,小雌が隣の雄と産卵することが確認され,「配偶者確保のために行動の性転換が生殖腺変化に先行して遂行される」という仮説を支持する貴重なデータが得られた。論文は現在準備中である。
2 雄から雌への逆方向性転換
近年,一夫多妻社会をもつベラ科やキンチャクダイ科の数種において,雌から雄への性転換だけでなく,劣位雄が雌に戻ることが報告されている。この逆方向性転換についての情報はいまだ乏しい。そこで,基本生態が詳しく調査されているサンゴ礁魚キンチャクダイ科アカハラヤッコと,温帯魚トラギス科コウライトラギスの2種を材料に,雄2個体を同居させる飼育実験を行い,逆方向性転換を検証し,同時に性転換プロセスにおける性的行動の発現タイミングについての観察を行った。
1)アカハラヤッコ:沖縄県瀬底島で採集した個体を琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底実験所の屋外水槽にて飼育し,雄が雌への性転換を行うことを確認した。順方向性転換時と同様に,生殖腺の状態と独立に雌の性的行動が先行することを確認した。
2)コウライトラギス:四国宇和海で採集した個体を,神戸市立須磨水族園にて飼育している。これまでのところ,性的行動,生殖腺の逆方向性転換は認められていない。雌から雄への性転換を行う魚類すべてが,逆方向性転換を行えるわけではないようである。現在も飼育実験を継続させている。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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