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2000 年度 実績報告書

魚類におけるカルシトニンの生理作用:レセプターによる解析

研究課題

研究課題/領域番号 12740454
研究機関金沢大学

研究代表者

鈴木 信雄  金沢大学, 理学部, 助手 (60242476)

キーワードカルシトニン / レセプター / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / ゲノムウォーキング / PCR
研究概要

【背景】哺乳類においてカルシトニンは、骨の破骨細胞に働き、その活性を抑制することにより血中Ca濃度を低下させるペプチドホルモンである。一方、魚類における生理作用は不明である。そこで申請者は、その作用を解明するため、レセプターに注目した。
【研究実績】
1)ヒラメのカルシトニンレセプターcDNAであると推測されるレセプターcDNAの構造を決定した。なお、詳細は(Suzuki et al.,2000)に記載してある。
2)このcDNAがカルシトニンレセプターであるという確証を得るため、リガンドであるカルシトニンの構造をヒラメの受精後5日目の胚からRT-PCR法により決定した。ヒラメのカルシトニンはマコガレイのカルシトニンと遺伝子レベルでは98%の相同性を示し、アミノ酸に変換すると同一の配列であった。しかしながら、哺乳類のカルシトニンとの相同性は低く、31-50%だった。
3)さらにレセプターの特異性を確かめる為に、カルシトニン遺伝子から組織特異的なスプライシングにより作られるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)も同様に構造決定し、カルシトニンと比較する必要がある。そこで、申請者は、ヒラメのカルシトニン遺伝子の配列を基にしたプライマーを作成し、ゲノムウオーキングによりヒラメのCGRPの配列を決定した。ヒラメのCGRPはサケ、カエル、ニワトリ及びヒトのそれとのアミノ酸レベルの相同性はそれぞれ78、78、81及び76%であり、カルシトニンとは異なりCGRPは脊椎動物の中で保存されていることがわかった。なお、ヒラメのカルシトニンとCGRPの構造についての成果は、現在Peptidesに投稿中である。
これらヒラメのカルシトニンとCGRPの塩基配列を基に、ペプチド合成を行ったので、次年度はこれらの合成ペプチドを用いてレセプターの発現実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Suzuki,N.,Suzuki,T.and Kurokawa,T.: "Cloning of a calcitonin gene-related peptide receptor and a novel calcitonin receptor-like receptor from the gill of flounder, Paralichthys olivaceus."Gene. 244. 81-88 (2000)

  • [文献書誌] Suzuki,N.,Suzuki,T.and Kurokawa,T.: "Suppression of osteoclastic activities by calcitonin in the scales of goldfish (freshwater teleost) and nibbler (seawater teleost)."Peptides. 21. 115-124 (2000)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: "Calcitonin-like substance in the plasma of Cyclostomata and its putative role."Comp.Biochem.Physiol.Part B. (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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