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2001 年度 実績報告書

甲状腺形成プロセスに関する分子形態学的研究-濾胞形成遺伝子の探索-

研究課題

研究課題/領域番号 12740455
研究機関静岡大学

研究代表者

鈴木 雅一  静岡大学, 理学部, 講師 (60280913)

キーワード甲状腺転写因子 / Nkx2.1 / 魚類甲状腺 / クローニング
研究概要

まず、魚類における散在性甲状腺の分布をメダカ成魚を用いて形態学的に解析した。ニワトリチログロブリン抗体を用いた免疫組織学的染色などにより、甲状腺濾胞は腹大動脈、動脈球、心臓の背側の間充織中に比較的高密度で分布すること、さらに、甲状腺濾胞は心臓背側から側方後背部にわたっても分布し、横から見ると鰓蓋の後端に沿う様に弓状に散在していることを確認した。次に、魚類甲状腺cDNAライブラリーを作成するため、大型のシロサケとニジマスを用いて甲状腺濾胞のみの採取を試みたが、散在する甲状腺濾胞をcDNAライブラリーを作成するのに十分量採取するのは困難であることが判明した。そこで、甲状腺濾胞を腹大動脈と共に採取してcDNAライブラリーを作成することとした。
クローニングの結果、甲状腺に特異的な遺伝子の転写に必須な甲状腺転写因子Nkx2.1のcDNAが3種類(a, b, c)得られた。これらのNkx2.1には特徴的なホメオドメイン、TNドメイン、NK2ドメインが保存されていた。アミノ酸配列の相同性は得られた3種類のNkx2.1の間では74.0%から89.0%であった。In situ RT-PCR法により細胞レベルでのNkx2.1 mRNAの局在を調べると、甲状腺の濾胞上皮細胞にシグナルが検出された。さらにRT-PCR法によりニジマスにおける組織分布を調べると、甲状腺以外にも、濾胞様の構造をとる下垂体、鰓後腺、生殖腺等でNkx2.1 mRNAの発現が検出された。Nkx2.1は濾胞形成に関与している可能性があり、より詳細な研究が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y. Uemae, Y. Hidaka, Y. Onoda, M. Suzuki: "Sequence analysis and tissue distribution of Nkx2.1 mRNAs in the rainbow trout"Proceedings of the Japan Society for Comparative Endocrinology. 16. 40 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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