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2001 年度 実績報告書

Yb:GdYCOB多機能単一素子からの連続紫外レーザー光発生

研究課題

研究課題/領域番号 12750039
研究機関大阪大学

研究代表者

吉村 政志  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60314382)

キーワードGdYCOB / 紫外光 / 光損傷 / 酸素欠陥 / 波長変換 / 非線形光学結晶 / Yb : GbYCOB / 定比組成
研究概要

本研究で得られた主な成果を以下に要約する。
Yb : GdYCB母材であるGdYCOB結晶では、発生した紫外光によって光損傷が生じ、出力低下が引き起こされる。そのため、実際に波長変換素子として用いるためには、先ずレーザー損傷耐性の改善が不可欠である。これまでの研究で、光損傷は紫外光によって誘起される産後欠陥周辺部の希土類イオンの価数変化と関係していることがわかった。さらに、育成中の雰囲気に酸素を混入させることで、酸素欠陥は減少し、複屈折が小さくなる傾向が確認された。
紫外光に対する損傷耐性の評価として、結晶にNd : YVO_4レーザー光の第3高調波(波長:355nm)を照射させ、その透過率の強度依存性を調べた。その結果、大気中(酸素20%含有)や酸素1%を含む雰囲気で育成した結晶は、従来のArガスのみの雰囲気で育成したものに比べて、光損傷発生により生じる透過率低下を大幅に改善できることがわかった。
また、YCOB結晶の電子スピン共鳴を測定したところ、原料秤量や焼結、育成過程において生じる定比組成(化学量論比組成、YCa_4O(BO_3)_3)からの組成ずれが、結晶中に欠陥を生成させていることも明らかになった。具体的には、水分と反応しやすく、蒸発が激しいB_20_3成分が反応過程で失われやすく、陰イオンの不足分と電気的中性を保つために結晶中のYが3+から2+に価数変化している。Y^<2+>は紫外領域に吸収をもつため、この価数の変化がより深刻な光損傷、透過率の減少を引き起こすと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Yoshimura et al.: Technical Digest in The 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics. II440-II441 (2001)

  • [文献書誌] M.Yoshimura et al.: "Dependence of gray-track threshold of GdYCOB on the crystal growth atmosphere"Journal of Crystal Growth. 229. 267-271 (2001)

  • [文献書誌] M.Yoshimura et al.: "Dependence of photo-induced damage threshold on the crystal growth atmosphere in GdYCOB"OSA Trends in Optics and Photonics. 50. 80-84 (2001)

  • [文献書誌] M.Yoshimura et al.: Journal of Crystal Growth. (in press). (2002)

  • [文献書誌] M.Yoshimura et al.: Journal of Crystal Growth. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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