研究概要 |
1,SMAコイルと磁石を組み合わせた単素子の試作と特性測定:ピン上下機構を1つだけ作製し、評価を行った。ラッチ機構のための磁石として、2枚の金属板に永久磁石を挟み込んだタイプを設計・試作し動作を確認した。その後、十分なピンの上下変位量およびラッチ保持力を得るため設計変更と最適化を行った。この際、ピン中間の基板を無くし回路を工夫することで、1ピンあたり2本必要だったSMAコイルを1本で済む様にし、部品点数を大幅に減らすことができた。 2,1文字(6ピン)の作製と動作確認:点字1文字(6ピン配置)のピンディスプレイを試作し、それぞれのピンが独立して動作することを確認した。ピンの変位量は0.9mm、ラッチの保持力8.2gfであり、電流300mAで1秒以内に動作しピンディスプレイとして求められる仕様を満たしていることを確認した。 3,1文字(8ピン)単位のモジュール化とプリント基板加工装置を用いた専用基板の作製:点字ディスプレイを1列に並べて表示を行う際に、どこまで表示したかを知らせるカーソル部分としてさらに2ピンを追加し、1文字あたり8ピンに変更した。また、メンテナンスを容易にするためにl文字単位でピンを取り換えられるようにモジュール化し、上下に8ピンを挟み込む2枚のプリント基板を設計、プリント基板加工装置を用いて試作した。この基板の配線パターンは、それぞれのピンを駆動するための配線取り出しを容易にする。 4,ワンボードマイコンを用いた制御回路の製作:RS-232C経由でコンピュータから各々のピンを独立して制御するためのインターフェースキット(AKI-H813048F)を入手し、キットのみの組み立て、動作確認を行った。ピンディスプレイモジュールに内蔵するトランジスタアレイがまだ組み込まれていないため、制御回路を用いたピンディスプレイの動作確認は、まだ行っていない。
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