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2001 年度 実績報告書

相変態を利用した環境と省エネルギーのための新しい塑性加工法の均質化法による検討

研究課題

研究課題/領域番号 12750075
研究機関広島大学

研究代表者

岩本 剛  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40274112)

キーワードひずみ誘起マルテンサイト変態 / TRIP鋼 / 均質化法 / 環境と省エネルギー / 塑性加工法 / 数値シミュレーション
研究概要

マルテンサイト変態の発生する材料においては、変態に伴って変態ひずみと呼ばれるせん断と体積膨張ひずみが生じる.また,この変態現象は温度に依存するため,熱膨張ひずみを考慮する必要がある.そこで,これらと弾粘塑性ひずみ速度の和から,各相における微視領域上の変態-熱弾粘塑性型構成式を導出した.変位速度の漸近展開形式を導出した構成式に導入し,均質化理論を適用することによって,特性変位関数を未知数とした微視系積分方程式,均質化定数を含む巨視系仮想仕事の原理式等の基礎方程式系を得た.同時に温度場も漸近展開によって表し,相変態によって発生する潜熱を考慮した微視領域における熱伝導方程式に対しても同様に均質化法を適用することによって,均質化理論に基づく基礎方程式を得た.これらを既に構築済みの有限要素法に基づいた数値シミュレーションシステムに組み込み,変態-熱-力学連成問題に適用可能な均質化法を用いた相変態発生材料用の数値解析システムを構築した.さらに,均一オーステナイト相内に楕円体形状を持ったマルテンサイト相をその中央部に配置した単位セルモデルを構築し,その単位セルが変態カイネティクスモデルに従って成長すると考え,移動境界問題として解析モデルを構築した.この解析システムを用いて,巨視的に平面ひずみ引張りを与えて数値シミュレーションを行った結果,これまでの有限要素法による数値シミュレーションと同じ傾向を示すと同時に,微視構造を忠実に表現可能なため精度のよい数値解が得られた.例えば,これまでのマルテンサイト相体積分率を内部変数とした有限要素法解析では,マルテンサイト相の配向性が表現不可能であったが,この数値シミュレーションシステムでは可能となる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Iwamoto: "Computational simulation of deformation behavior of two phase material for TRIP steel by homogenization technique"Mechanical Properties of Advanced Engineering Materials, Proc. IMMM'2002. 519-524 (2001)

  • [文献書誌] 川本 武史: "均質化法に基づくTRIP鋼の変形挙動の数値シミュレーション"日本機械学会2001年度年次大会講演論文集. 1. 65-66 (2002)

  • [文献書誌] Takeshi IWAMOTO: "Computational simulation of deformation behavior of TRIP steel by homogenization"Plasticity, Damage and Fracture at Macro, Micro and Nano Scales, Proc. Plasticity 2002. 189-191 (2002)

  • [文献書誌] 川本 武史: "均質化法によるTRIP鋼の変形挙動の数値シミュレーション"日本機械学会中国四国支部第40期総会・講演会. (発表予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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