平成12年度は以下の項目について研究を行った。 (1)電気メッキ材料の超精密切削加工 フォトリソグラフィーによって形成されたパターンは通常電気メッキにより構造体を形成する。このため電気メッキされた材料の加工特性を調べることはフォトリソグラフィーと超精密機械加工法の複合を計る上で重要と考えられる。ニッケルメッキおよび銅メッキを単結晶ダイヤモンドバイトにて切削加工し、良好な加工結果が得られることを確認した。 (2)厚膜フォトレジストの加工 エポキシ系の厚膜フォトレジストを超精密研削加工により加工し、その平坦化を試みた。厚膜フォトレジストは、3次元的な構造を形成可能な技術として注目されているが、その厚さのために形成された膜の形状は均一にすることは難しく従来は、膜の厚さあるいは形成された構造体の凹凸の不均一さから来る誤差を取り除くことが出来なかった。cBN砥粒を含む砥石を用いて研削を行うことでこれらの構造を10〜50ミクロン程度の厚さにおいて平坦化することが可能であった。 以上のように、フォトリソグラフィーと機械加工法の統合を目指して、基礎的な加工実験を行いフォトリソグラフィ技術で使用される材料が超精密機械加工法によって加工可能であることを確認した。
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