研究概要 |
ある種の物質から放射されるリン光の酸素消光現象を利用すると,物体表面上の空気の圧力変化を光学的手法によって計測することができる。このような発光物質を圧力検知センサーとして用いた表面圧力計測法を非定常流れ場に適用する場合に生じる種々の技術的課題を解決するため、平成12年度に引き続き,以下の実験的研究を行った. 平成12年度に実施された研究によりその有効性が確認された半導体レーザーを光源とし,光ファイバーおよびカセグレン光学系を応用した新しい時間分解圧力計測システムを構築した.さらに,これを用いて,多孔性薄膜上に発光物質を固定させた圧力検知センサーの周波数応答特性を調べた. 具体的には,高速回転する切り込み付き円盤を用いて噴流に周期的な変動を与え,その噴流を平板に衝突させることによって,キロヘルツオーダーの周期的な変動圧力場を作り出し,光学的圧力検知センサーを用いた時間分解圧方計測を行った.この計測と同時に,既存の高周波数応答圧力変換器を用いた圧力計測を行った.取得された圧力の時系列データは高速A/D変換器によって二値化された後パーソナルコンピュータに取り込まれ,離散フーリエ変換によって周波数領域におけるスペクトルデータへと変換された.これら2つの方法によって得られたスペクトル分布の比較から,本圧力計測システムは数キロヘルツの圧力変動に追従することが示され,平成12年度に得られたステップ応答から予測された高い周波数応答を有することが実証された.
|