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2000 年度 実績報告書

超音波照射によって液体中に誘起される流れに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12750166
研究機関愛媛大学

研究代表者

野村 信福  愛媛大学, 工学部, 助教授 (20263957)

キーワード超音波 / 音響流 / キャビテーション / 音響キャビテーション / LDV / UVP / 放射圧
研究概要

超音波を照射によって液体中に誘起する流れのメカニズムを明らかにするために,超音波によって水槽内に発生する流れを実験的に調べた。数10kHz帯の低周波数の超音波を液体中に照射すると,キャビテーション気泡(音響キャビテーション)が音響放射圧を受けて液体中を運動する流れが発生する.このキャビテーション気泡流れには数mm/s程度の随伴流が存在することがレーザードップラー流速計(LDV)の計測から明らかになった.この流れはしばしば超音波音響流と混同されてきたが,この流れは従来の音響流とは全く別の流れである.水中では,キャビテーション気泡が音圧の節を中心軸とした強制渦流れとなる.また,シリコンオイル中では気泡が振動面から上方に流れる直進型の気泡流れが発生する.これらの気泡流れをCavitation bubble streaming(以下CBS)と呼ぶことにした.気液混相流れのであるこのCBSの速度をレーザードップラー流速計で実測するには技術的に非常に難しかったので,本研究では超音波流速分布計(UVP)を用いて計測する方法を提案した.UVPはレーザーと比べて波長が長いので,トレーサ粒子として100μm程度の粒子が用いられている.このスケールは音響キャビテーションの共振気泡径のオーダーと一致するので,UVPを利用すればトレーサ粒子を流体に添加することなく,キャビテーション気泡自身の運動を測定できる.キャビテーション気泡崩壊時に発生する超音波ノイズがほとんどなかったシリコンオイル中で計測を試みた結果,トレーサ粒子として169μmのポリエチレン粒子を混入した場合とそうでない場合のCBSの速度は,トレーサの有無に関わらず数cm/s〜10cm/sであった.キャビテーション気泡がUPVのトレーサ粒子として作用するため,音響キャビテーションの速度測定にUVPは極めて有効な手段となることが明らかになった.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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