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2000 年度 実績報告書

マイクロヒーター群によって駆動されるマイクロ気泡周囲の熱流体機構

研究課題

研究課題/領域番号 12750168
研究機関九州大学

研究代表者

高橋 厚史  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10243924)

キーワードマイクロ気泡 / マイクロチャンネル / マイクロヒーター / 過熱 / 熱毛管現象 / マイクロ熱電対
研究概要

熱流体現象を用いた新しいマイクロアクチュエーターとして、表面張力の不均衡を熱的に与えて気泡が駆動される現象を利用しようとしている。今年度は、その基礎として、マイクロチャンネル中で発生した蒸気気泡の周囲の温度を熱電対で直接計測することを試みた。シリコン基板をKOHによる異方性エッチングによって溝を設け、その中に大きさ50ミクロン程度のヒーターをニッケル薄膜を局所的に細くすることで製作した。一方、ガラス基板上にニッケルとアルミの薄膜細線先端を100ミクロン程度重ねることでマイクロ熱電対を製作した、この二つの基板を重ねてマイクロチャンネルとし、電気絶縁性に優れたフロリナートで満たした状態で気泡を発生させ、チャンネルの高さを10ミクロンと100ミクロンの二種類で熱流体機構の違いを調べた。新規に購入した高速度ビデオカメラ撮影も併用して明らかになったことは、マイクロヒーターによる気泡生成が非常に強い温度勾配を持ったサブクール状態であることである。ひいては、ヒーターは強い過熱状態になっていることが予想できる。
次に、既に製作してあったガラス基板上の直線状マイクロヒーター群と、新たに製作したシリコンウエハーのエッチングによる溝およびガラス基板上のポリイミドによる溝をそれぞれ張り合わせて、ヒーター群が溝の中に並んだ状態のマイクロ流体デバイスを構築した。一個のヒーターをオンにして気泡を生じさせておき、そのヒーターをオフにすると同時に横のヒーターをオンにすることで表面張力の不均衡による移動(熱毛管現象)を検証した。シリコンに比べポリイミドの方が遥かに速い移動速度を記録した。この理由は基板の熱伝導度の違いであろうと予測している。すなわち、熱伝導度の良いシリコンではマイクロチャンネル内で温度勾配が生じにくく、駆動力が相対的に小さくなっていると思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高橋厚史,永山邦仁,浅野種正: "マランゴニ効果を用いたマイクロアクチュエーター"応用物理. 69巻・6号. 676-679 (2000)

  • [文献書誌] K.Takahashi,K.Yoshino,K.Nagayama,T.Asano: "A Novel Fluidic Micromotor Driven by Thermocapillary Force"Proc.4th JSME-KSME Thermal Engineering Conf.. Vol.3. 367-371 (2000)

  • [文献書誌] K.Takahashi,K.Yoshino,S.Hatano,K.Nagayama and T.Asano: "Novel Applications of Thermally Controlled Microbubble Driving System"Technical Digest of IEEE 14th Int.Conf.Micro Electro Mechanical Systems. 286-289 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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