研究概要 |
スマート構造における形状と制御の統合最適化方法を,非線形最適化法と線形行列不等式に基づいて構築した.本研究では,圧電フィルム(PVDF)によりスマート構造を構成し,圧電フィルム形状を含めた構造パラメータと制御パラメータを同時に最適化する方法を提案・開発した.スマート構造には,それ自身にセンサー/アクチュエータ機能を有しており,構造・圧電フィルム形状を含めた機構設計と制御系設計を融合する意義は大きく,高性能化を達成できることを明らかにした.制御性を考慮した構造設計および同時最適設計の両面から適切な問題設定について考察し,達成される性能および両者の得失を評価した.また,フレキシブルリンク機構を対象とし,スマート構造の導入および機構の最適化を行った.統合設計における構造系の設計変数としては、対象とする構造および圧電フィルムの形状・寸法とした.制御方法は、周波数領域および時間領域の設計を包括的に扱うことができる線形行列不等式に基づく方法を採用した。すなわち,要求される制御性能を線形行列不等式により統合的に記述し,構造系に要求される小型化・軽量化を最適化問題の中に導入する.構造系と制御系の各特性、および統合系としての諸性能を用いて、統合最適化問題を定義する.この問題を、逐次二次計画法とLMIソルバーを結合したアルゴリズムにより解き、最適な構造系と制御系と同時に決定する.そして,提案手法を梁構造およびスマートフレキシブルリンク機構の設計に適用し,シミュレーションおよび実験により本手法の有効性を検証した。
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