研究概要 |
1.2軸回転アクティブ吸振器の製作 移動ロボットの進行方向であるx方向と、それと直角横方向であるy方向に搭載台が独立に傾斜する2軸回転アクティブ吸振器を製作した。各軸に取り付けたDCサーボモータにより、搭載台の傾斜角度ならびに傾斜角速度が制御される。傾斜角度はモータ軸に取り付けたロータリーエンコーダにより計測する。DCサーボモータの回転数はサーボアンプへの入力電圧により制御される。ロータリーエンコーダの出力信号線とサーボアンプの入力信号線はDSPインテリジェントコントローラに接続されている。これにより、2軸回転アクティブ吸振器を自在に制御することができる。自律移動型搬送車上にこの2軸回転アクティブ吸振器を取付け、その上に搬送物を設置して搬送するシステム構成となる。 2.球面振子型スロッシングモデルの構築 搬送中の円筒型液体タンク内のスロッシング(液面振動)は、半径方向と円周方向の振動モードがそれぞれ1次である(1,1)モードが支配的となる。すなわち、液面がほぼ平面を保ったまま振動するモードとなる。この(1,1)モードを球面振子の等価モデルにより表現し、この球面振子型スロッシングモデルの線形化モデルを用いて、スロッシングを制振させる2軸アクティブ吸振器のコントローラを設計する。そのために球面振子型スロッシングモデルを構築した。モデルパラメータである球面振子の長さ、質量、等価粘性係数は、円筒型液体タンクの加振実験ならびに搬送実験により同定した。
|