研究概要 |
1.自律移動型搬送車の経路計画と障害物回避 静的障害物のある環境下での最短搬送経路を遺伝的アルゴリズムにより決定した。遺伝子列として、スタートからゴールまでに経由する中間点の座標値をとり、適応度としては延べ搬送距離を与えるが、障害物に接触するような経路に対してはペナルティを与えてその適応度を劣化させた。次に、動的障害物も存在する環境下での障害物回避アルゴリズムをファジィ理論により構築した。動的障害物の行動パターンを未知とし、過去の行動パターン情報から未来の行動パターンを推定して障害物回避を行った。障害物回避行動は、障害物と搬送車の距離および接近速度を考慮して決定される。 2.アクティブ吸振器の制御系設計 自律移動型搬送車の動作により液体タンク内に液面振動が発生する。この液面振動を制振させるため、液位センサからの出力をもとにサーボモータを回転させて液体タンクを傾斜させる。障害物回避やスタート・ゴール近傍での加速/減速時に発生する液面振動はタンクを傾斜させることによりアクティブに制振させる。よって、常に液位変化量を零にするように最適レギュレータにより制御系を構築した。ただし、2軸回転型アクティブ吸振器であるためにx, y方向への入力が干渉し合い、良好な制御性能が得られない。そこで、液面振動を近似的に表現した球面振子型モデルをx, y方向にそれぞれ写像し、各単振子の合成により液面を表す双対振子型モデルを構築した。このモデルに対して独立にx, y方向を制御する制御系を構築することにより非干渉化を行った。なお、球面振子はその振れ角が小さければ、x, y方向に写像した単振子の合成により表すことができることが知られている。
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