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2000 年度 実績報告書

低電圧駆動型高出力静電アクチュエータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 12750205
研究機関東京大学

研究代表者

山本 晃生  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40313035)

キーワード静電アクチュエータ / 静電モータ / リニアモータ / 低電圧駆動
研究概要

今年度は主として,表面電荷法を用いた数値解析により,アクチュエータ性能の解析を行った.本研究でめざす低電圧駆動の実現のためには,同一の印加電圧における発生推力を,従来より大幅に向上させる必要がある.これを実現させる有力な手法の一つとして,高誘電率材料の利用が考えられる.そこで,高誘電率材料をモータの基材として用いた場合の,アクチュエータ性能に関する評価を行った.
セラミックス等の材料の中に電極を埋め込むことを前提としたモデルにより解析を行った結果,基材の誘電率向上と共に発生推力が向上するとの結果が得られた.しかし,比誘電率がおおよそ100以上になる場合には,発生推力の向上は見られず,誘電率と関係なくほぼ一定となる結果となった.誘電率が発生推力に及ぼす影響が最も顕著なのは,比誘電率が100以下の領域であり,この領域においては,より高い誘電率材料の利用により,より高い推力が得られることが予想される.シミュレーション結果に基づく試算では,比誘電率を数10のオーダにすることにより,発生推力は現在の4倍程度となる.解析対象とする静電アクチュエータの発生力は,印加電圧の2乗に比例するため,この場合,従来の1/2の印加電圧で,従来と同等の推力が得られることになる.
一方,移動子・固定子間に働く法線方向の吸引力に関しても解析を行ったところ,やはり誘電率の向上とともに増加することがわかった.この吸引力は,移動子・固定子間の摩擦力に直接影響を及ぼし,実際にアクチュエータ外部に取り出せる正味の推力性能を損なうため,できるだけ低減することが望ましい.今回の解析結果によると,誘電率向上による推力増加分は,移動子・固定子間の摩擦力増加により,大半がうち消されてしまう傾向が見られたため,今後は,推力成分だけを向上し,吸引力成分を低減できるような電極構成を検討していく必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山本晃生,新野俊樹,樋口俊郎: "高出力静電モータによる精密位置決め"2001年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] 山本晃生,新野俊樹,樋口俊郎: "高出力静電リニアモータのサーボ制御"第12回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム. 565-568 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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