研究概要 |
1.同軸円筒型スクリュー電極,多針-平板対向電極,平板-平板対向電極を用いた高周波無声放電により一酸化窒素(NO),オゾンの生成を行い,電極形状毎の各ラジカルの生成特性について検討した. (1)スクリュー型電極や多針型電極を用いて,放電空間内に高電界領域を生成する事により,高濃度・高効率のオゾン生成が達成された.スクリュー型電極の場合,放電電力26.2Wで最大オゾン濃度50g/m^3(115g/kWh),放電電力26.2Wの場合で最大オゾン収率298g/kWh(5.1g/m^3)が達成された (2)NOはいずれの電極形状でも生成されるが,放電空間中のオゾンと反応し分解される.NOとオゾンの反応速度常数が大きいため放電空間中での共存は困難であり,NOを生成するためには,オゾン生成を抑制する必要があることが明らかになった. (3)オゾン生成が少ない平板-平板対向型電極を用いた方が,低電力でより高濃度のNOが生成され,放電電力25Wで150ppmのNOを生成できた. これらの結果より,平板-平板電極はNO生成に,同軸スクリュー電極,及び多針-平板電極はオゾン生成に有効であり,高周波無声放電はこれらの活性ラジカルの生成に有効であることが明らかになった. 2.放電プラズマによるNO生成の高効率化や反応過程の解明を目指して,レーザ誘起蛍光法(LIF)を用いてNOの粒子密度や空間分布の計測を行った. (1)NO標準ガス(495ppm,N_2希釈)を用いてLIF強度とNO濃度の相関を取り,LIF計測により放電空間内でダイナミックなNOの濃度測定が可能であることを示した. (2)レーザ励起NO分子は酸素分子によりクエンチングされ,LIF強度が著しく減少した.酸素分子が存在する空間でのLIF法によるNO濃度計測は,レート方程式等により,酸素分子によるクエンチングの効果を正しく見積もる必要があることを示した.
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