計画通り、接続用ガイド構造と減衰器の製作を手掛けた。以下に詳細を報告する。 1.光ファイバ接続用ガイド構造:光ファイバ同士を接続する際のガイドとなる凹凸構造を光ファイバ端面に製作した。その際に、光ファイバをガイド穴に突き当てると中心出しができるマスクを開発した。アライメントガイドと転写すべきパターン間の正確な位置精度を出すために、セルフアライメント技術を用いた。電子顕微鏡写真から判断して、1μm以内の精度でアライメントでき、本手法が有効であることが分かった。 2.光ファイバー体型減衰器:光ファイバ側面に任意のパターニング、エッチングを施しコアが一部むき出しになる構造を製作した。減衰器として機能することを確認した。 3.先球ファイバ:1.の技術を更に発展させると、光ファイバ端面を球面状に加工できることに気付いた。先球ファイバは、光ファイバと半導体レーザなどの種々のデバイスの接続を低損失にすることができる。現在は一つずつ機械研磨加工によって生産されている。このため、コスト高で大量生産に不向きである。光通信分野で大きなニーズがあり、本研究の特徴を生かせる分野であると判断した。今後は、先球ファイバを中心に研究を進める。光ファイバ単面に円形のパターニングをした後、レジスト膜を高温でベークすると、レジスト膜が軟化・流動し表面張力から半球状になる。このレジストをドライエッチングによって、レジストとガラスの両方を同時にエッチングする。レジストの形状をガラスに転写することになり、光ファイバ端面に球面レンズを製作できた。特性の評価、最適な形状を得るための条件等について今後研究を進める。 以上の結果の一部を国際学会や雑誌に発表した。
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