• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

高移動度InAs系ヘテロ構造を用いた極微構造の作製と新機能デバイス探索

研究課題

研究課題/領域番号 12750304
研究機関大阪工業大学短期大学部

研究代表者

前元 利彦  大阪工業大学短期大学部, その他部局 等, 講師 (80280072)

キーワードInAs / AlGaSb / InAsヘテロ構造 / 量子ドット / 電子波干渉効果 / 量子カオス
研究概要

微細加工されたInAs/AlGaSbヘテロ構造の磁気電子輸送に関する研究を進めており、本年度は量子ドット構造における電子波伝搬とその干渉効果について研究を行った。
MBE成長したInAs/AlGaSbヘテロ構造を、光露光および選択ウエットエッチングにより、開放形量子ドット構造および量子ドット列構造に加工した。この系では、低温における電子の平均自由行程は3〜4μmに達することから、微細構造をサブミクロンの大きさに作製した場合、十分にバリスティック輸送が期待できる。開放形ドット構造の4.2Kにおける磁気輸送特性から、測定電流値を変化させて磁気抵抗を低磁場で測定したところ、これまでSiやGaAsでは見られたことのない大きな周期のコンダクタンス振動が、4.2Kという比較的高い温度で観測された。この振動周期は、古典的な粒子の運動により、入射と反射に相当するサイクロトロン軌道の大きさを考えることで説明することがわかった。また、極めて短い周期をもつ磁気抵抗の揺らぎも観測された。この揺らぎは測定電流値を変化させても再現性があり、かつ電流値を減少させれば振幅は大きくなり、量子ドット構造の境界条件を反映した電子波干渉効果の現れであると考えられる。このような実験結果は、GaAs系ではmK領域での測定でしか観測されていなかったが、InAs系においては、より高い温度で電子波の干渉効果を観測できることがわかった。InAs系ヘテロ構造の優位性を示すとともに、デバイス構造をさらに微細化して、スピンー軌道相互作用が大きい条件で極低温の実験ができれば、InAsの特徴をより反映した量子カオスの観測が可能になる。
以上の結果は、The14^<th>International Conference on High Magnetic Fields SemiconductorPhysiscs(Semi-mag2000,Matsue,Japan)およびAPS meeting2001(Seattle,America)において報告した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Inoue,T.Maemoto et al: "Formation and Characterization of a quasi-one-dimensional InAs Lateral surface superlattice "Proceedings of the 9th International Conference on Narrow Gap Semiconductors. 9. 87-90 (2000)

  • [文献書誌] T.Maemoto,T.Kobayashi et al.: "Magneto-transport properties of InAs/AlGaSb quantum wires with and without a lateral periodic potential"The 14th International Conference on High Magnetic Fields in Semiconductor Physics. p033 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi