研究概要 |
[研究の目的] 本研究は「電流制御素子を内蔵したマイクロサイズエミッタユニットをガラス基板上に高密度に配置する方法について検討」を行うことを目的としている。以下に研究によって得られた結果を示す。 [本研究によって得られた新たな知見等の成果] "微小エミッタ構造のガラス基板上への配置、接合方法の検討" 陽極化成法を応用したシリコンマイクロマシニングで製作した微小エミッタ構造とガラス基板の接合方法として、陽極接合法(Anodic Bonding)を用いる検討を行った。この方法は従来、ウェハサイズ、チップサイズでの低温で行うシリコンとガラス基板接合方法であるが,多孔質シリコンに埋め込まれたシリコンマイクロ構造とガラス基板との接合方法としてはこれまでに検討されていない。 本研究では,陽極接合実験用の簡易型の位置合わせ装置を製作した。 陽極接合条件検討の結果,陽極接合時の基板温度300℃、印加電圧300Vの条件において多孔質層に埋め込まれた微小エミッタ構造をガラネ基板上に接合できることを明らかにした。 "ガラス基板上への単結晶シリコンエミッタアレイの製作" ガラス基板は絶縁体であるため,エミッタ-エミッタおよびエミッタアレイ-周辺回路への配線が必要となる。ガラス基板上に導体材料膜を堆積,配線形状加工を施したガラス基板と微小エミッタ構造を陽極接合法を用いて接合を試みた。その結果,配線幅と微小エミッタのサイズの最適化を行うことで接合可能であることを確認した。 "製作したエミッタアレイからの電界放射電流の測定" 製作したエミッタアレイからの電界放射電流測定を試みた。測定電流の解析から電界放射による電流が測定された。このことから,ガラス基板上に構築した単結晶シリコン微小エミッタアレイと配線によるシステムが微小電子源として動作可能であることを明らかにできた。
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