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2001 年度 実績報告書

相対論的電子ビームの共振器による非接触型時間プロファイルの計測

研究課題

研究課題/領域番号 12750373
研究機関北海道大学

研究代表者

富岡 智  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40237110)

キーワード加速器 / 電子ビーム / 高周波 / 位相検出 / 共振器 / 時間プロファイル / 周期構造パルス / 非接触・非破壊
研究概要

本研究の目的は、電子ビームから放出されるパルス状電磁界の時間プロファイル測定である。このパルスは2.85GHzの加速周波数とその高調波より構成されており、それらの複素スペクトルを測定すれば、元の時間プロファイルを決定できる。複素スペクトルとは各成分の振幅の絶対値と位相を表している。通常の計測法では、各成分の絶対値のみしか分からないが、二つの周波数成分を同時に計測し、さらに、この一方に移相器(遅波回路)を挿入することにより、二つの周波数成分間の位相差が計測できる。
本研究では、この測定に、共振周波数を自由に選ぶことが出来、さらに複数の周波数成分を同時にフィルタリング(選択)することも出来る開放型共振器を採用した。開放型共振器には、電磁波の入射ポートを設け、大きな出力を得るために、出力検出用の四本のモノポールアンテナを直接共振器に挿入した。挿入した四本のアンテナは、各々、基本波(2.85GHz)、第二、第三、第四高調波を主として検出する位置に設置した。このうち、第四高調波は出力が弱く複素スペクトルの計測は不可能であった。これらのアンテナの内の、基本波の出力に移相器を挿入し、他の高調波成分の一つの出力と合成し、その位相遅れを計測した。また、各々の成分単体の出力を計測した。なお、入力ポートから各アンテナまでの位相遅れについても、同様の方法で計測し、各周波数成分は入力ポートにおける複素振幅に換算できる。
以上により、基本波から第三高調波までではあるが、複素スペクトルを求め、加速器の時間プロファイルを求めることができた。この結果は、他の計測法との定量的な比較は行ってはいないが、定性的には妥当な結果を示していた。
本来は、加速器からの放射電磁界は第五高調波程度まで延びているため充分な精度の計測はできなかったが、本研究で提案した複素スペクトルの計測法は、実現可能な手法であることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takashi Miyashita: "Estimation of the Waveform of fine strucure pulse with Resonator"Proc. of the 25th Linear Accelerator Meeting in Japan. 377-379 (2000)

  • [文献書誌] Satoshi Tomioka: "Simulation in applying genetic algorithm for non-destructive measurement of electron beam transverse profile"Proc. of 10th Int. Symp. on Simulation and Design of Applied Electromag netics and Mechanics. 343-343 (2001)

  • [文献書誌] Yoshiki Goto: "ファブリ・ペロー共振器によるライナック電子ビームの電子密度計測"Proc. of the 26th Linear Accelerator Meeting in Japan. 261-263 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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