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2001 年度 実績報告書

人工現実感の臨場感を高めるための視覚と触覚の統合化に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 12750374
研究機関九州工業大学

研究代表者

和田 親宗  九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (50281837)

キーワード人工現実感 / 透過型HMD / 触覚刺激
研究概要

透過型ヘッドマウンテッドディスプレイ(透過型HMD)を使うことで、人工的に作り出された仮想画像を現実環境に重ね合わせて、使用者に呈示することができる。しかし、現在の透過型HMDでは、仮想画像で惹起される奥行き感と現実空間の奥行き感とが異なってしまう。何らかの作業をする際には手からの触覚情報を利用するので、この触覚情報を使うことで奥行き感ずれを減らせないかと考えた。
昨年度は、どの程度奥行き感ずれが生じるのかを調べた。その結果、仮想画像の理論的な呈示位置とそれを知覚している奥行き位置との間にはずれが生じることがわかった。例えば、ある被験者では、上肢長の80%の位置に仮想円が呈示された場合、ボタンを押そうと指を動かしていくと、(知覚された位置が約3cm奥側にあるので)押そうと思っている位置から3cmも手前でボタンが押された状態になってしまう。この時点でおそらく違和感が生じるものと予想した。
今年度は、触覚ディスプレイを指先につけ、振動刺激を付加した。これにより、ずれを感じさせなくすることができるかどうかを調べた。まず、仮想画像の理論的な呈示位置で振動刺激が生じるように設定し、仮想画像を指で触るように動かしてもらった。その結果、視覚的に知覚される奥行きと、振動刺激によって知覚される奥行きとの間で違和感が生じることがわかった。次に、この違和感を制御できるかどうかを調べた。その結果、仮想画像呈示位置の前後2〜3cmで指先に振動刺激を付加すると、被験者は仮想画像表面に触れているものと錯覚した。言い換えると、振動刺激を付加することで、違和感無く奥行き感ずれを制御することが可能であることがわかった。ただ、仮想画像の前後数センチのずれは依然として存在する。今後の検討課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 重村 典昭: "表面粗土感の皮膚温度依存性を考慮した触感ディスプレイの提案"電子情報通信学会 技術報告. H1・P. 55-63 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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