研究概要 |
本研究の目的は以下の2つである. (I)IQCに基づく非線形ディジタルフィードバック制御系の安定性条件,安定化補償器の構成法を導出する. (III)提案するアルゴリズムを実装した制御系設計支援システムを構築する. 本年度はそのうち ●IQC条件に基づくディジタルフィードバック系の安定性条件の導出:実用上の重要性にもかかわらず困難であった非線形ディジタルフィードバック制御系の安定性解析に対して統一的な手法を与えた.IQCを用いた安定性解析手法は,原理的にはディジタル制御系にも適用可能であるが,条件が無限次元行列不等式になってしまい,実用上扱いやすいものとはならない.それに対して,申請者が一貫して行ってきた線形システムのディジタル補償器によるロバスト制御における手法を用いることで,非線形ディジタル制御系のロバスト性を判定するためのアルゴリズムを,有限次元の条件のみを用いて構成した. ●設備備品として導入するパーソナルコンピュータへのアルゴリズムの実装:アドバンスト制御理論においては,実システムの制御への適用をサポートするソフトウエアの存在が必要不可欠である.本研究においても,非線形特性の強い実システムのディジタル制御のために,安定性解析パッケージを開発した. ●非線形システムをL_2安定化するディジタルフィードバック制御の構成法の導出:IQCに基づくディジタルフィードバック系の安定性条件を用いて,それに基づくディジタル補償器の設計アルゴリズムを導出した. を行った.
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