研究概要 |
本年度の研究実績は以下のとおり. ・ アフィンパラメータ変動システムのH^2性能の局所的な振舞いに関する性質から先行研究である遺伝アルゴリズムを用いたMini-Max最適化によるロバストPID制御系設計の高効率化を図った.具体的な計算効率の改善を検証するためにC言語を用いたパッケージを作成した.その結果を国内学会(制御理論シンポジウム)および国際会議(NOLTA2000)にて発表した. ・ プロセス制御実験装置の試作に先立って,コンパクト化と実時間制御系の実現のためにノートパソコンとPCMCIA AD/DAカードおよびReal-Time Linuxを用いた制御装置を製作,さらに検証用の制御対象としてメカニカルシステムを製作した.現在,制御実験を準備中. ・ H^2性能以外の性能規範としてはL^1,H^∞,ギャップ距離などが考えられるが,プロセス制御で典型的なむだ時間を含むような無限次元システムのH^∞制御問題の解法に関する論文がSystem and Control Lettersに掲載された. ・ プロセス制御においてはそのモデリングが非常に重要であるが,平衡点近傍での線形近似モデルによらずとも未知なる平衡点への安定化が可能である遅延フィードバック制御の実プロセスへの適用可能性について検討した.同結果をまとめた論文が国際会議(ACC2001)に採択された.
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