研究概要 |
球状車輪機構を有する移動ロボットは球状車輪を二方向から駆動することにより,任意の方向に旋回動作を伴わず即座に移動できる。それゆえ,高精度な移動特性を得るためには,駆動軸間の協調動作が必要となる。本研究の目的は,球状車輪型全方向移動ロボットにおける駆動軸協調制御について検証することにある。そこで,本研究では,以下の項目に従って研究を遂行してきた。 1.球状車輪型全方向移動ロボットの構成及び構造を検討し,実機の製作 上記の項目では,球状車輪にX-Y軸方向に2個のモータを設け,球状車輪を全方向に駆動する方式をとり,さらに,移動ロボットロボットに球状車輪を2個装備し,並進二自由度と旋回動作の3自由度の運動を可能とする機構を採用し,実機を製作した。 2.駆動軸であるDCモータを制御するためのインターフェイス部分の構築 上記の項目に対して,ロボットを遠隔操作するために市販ラジコンの送受信機を採用した。さらに,送受信機をPCから操作できるよう変換回路を製作し,PCからの信号で移動ロボットを操作可能とした。 3.移動ロボットの移動に関してリアルタイム計測システムの構築 上記の項目に対して,天井の設置したCCDカメラからロボットの位置を検出し,計測ユニットビデオトラッカを用いてリアルタイムに位置情報を処理可能とした。 平成12年度は,上記の3項目を達成し,移動ロボットの基礎特性のデータ採取を行った。データ結果からロボットが全方向移動可能なことが確かめられた。今後は, 4.コントローラの検討および構築 上記項目は,CCDカメラから得られた位置情報を用いてのロボットの高精度な移動特性の獲得に向けて,各駆動軸の応答特性改善のためにフィードフォワードコントローラ,両駆動軸間の協調動作を実現するために協調コントローラについて検討を行う。さらに,各コントローラを実装し,全方向移動ロボットの有用性について実機を用いて検証を行う。
|