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2000 年度 実績報告書

高温の温度履歴を受ける岩石の力学特性に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12750451
研究機関愛媛大学

研究代表者

木下 尚樹  愛媛大学, 工学部, 助手 (30263958)

キーワード岩石 / 強度・変形特性 / 温度履歴 / 熱ひずみ / 弾性波伝播速度 / マイクロクラック / 高温
研究概要

1.高温の温度履歴を受けた岩石の力学特性
試料とする岩石は花崗岩,安山岩,砂岩および凝灰岩とした.これらを各試験用供試体に成形し,湿潤状態,気乾状態にした.常温〜100℃,履歴0〜50サイクルの範囲で温度履歴を与えた後,雰囲気温度をパラメータとして強度試験を行った.その結果,圧縮強度,引張強度,弾性係数およびポアソン比は履歴回数,履歴温度範囲の増加に伴い,低下することがわかった.また,安山岩,砂岩では温度履歴の影響を受けにくく,凝灰岩は比較的影響を受けることがわかった.しかしながら,温度履歴回数が10回以降では強度・変形特性の変化はほとんどみられなかった.
2.温度履歴に伴う岩石の熱ひずみおよび弾性波伝播速度
弾性波伝播速度についても強度と同様な傾向がみられた.また,熱ひずみについては履歴の増加に伴い残留ひずみが増加したが,数回の履歴で収束する傾向がみられた.
3.温度履歴を受けた岩石の微視的観察
温度履歴に伴う岩石の挙動を顕微鏡観察した結果,履歴回数の増加に伴い鉱物粒子内および粒子間にマイクロクラックの発生や拡大が観察された.
以上の結果より,岩石が高温の温度履歴を受けると各鉱物粒子の熱膨張・収縮量の違いにより,鉱物粒子内および粒子間にマイクロクラックが発生・拡大し,強度,弾性係数,ポアソン比などが低下するが,履歴温度の範囲が一定であればマイクロクラックの増加・拡大は一定量で収束し,そのため強度などはある値で収束するものと考えられる.また,斑状組織である安山岩や同一鉱物,同一粒径で構成される砂岩などは温度履歴の影響は受けにくい.比較的大きな数種類の鉱物結晶で構成される花崗岩や鉱物粒子の結合力の弱い凝灰岩は温度履歴の影響を比較的受ける.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 稲田善紀,木下尚樹: "熱水の岩盤内空洞貯蔵における岩盤の挙動"地下空間シンポジウム論文・報告集. 第6巻. 235-242 (2001)

  • [文献書誌] 稲田善紀,木下尚樹: "高温の影響を受ける岩盤空洞の熱的挙動に関する一考察"第31回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集. 236-240 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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