研究概要 |
本研究は,複数の個人の合意形成に基づいたフェイス・ツゥ・フェイスのコミュニケーション行動を分析するランダムマッチングモデルとそれを作成するための調査方法を提案するものであり,初年度は主としてランダムマッティングモデル作成のための理論的分析に重点を置いた. フェイス・ツゥ・フェイスのコミュニケーション行動をモデル化するためには,ミーティング形成のための合意形成行動と実際にミーティングを行う交通行動を同時に考慮したモデルを開発する必要がある.そこでまず,小林等が提案したランダムマッチングモデルを,異なる個人間における合意形成を考慮する形で拡張し,フェイス・ツゥ・フェイスのコミュニケーション行動を分析するための基礎となるモデルを提案した.次に個人間でミーティングの形成と終了が繰り返されるようなマッチング過程を確率過程として定式化を行った.さらに次年度に行うモデルの推計に必要なアンケート調査の概要について検討を行った.現在のところミーティング行動に関してはほとんどその実態が把握できておらず,単一トリップに関するデータよりミーティング行動の側面を推測せざるを得ないのが現状である.ミーティング行動に関しては,ミーティング施設を対象とした調査や家庭・企業に対する訪問調査などを行うことにより把握することが可能であろう.ミーティングを考慮した交通行動分析を行うために必要なアンケート調査票を設計し,次年度に行うランダムマッチングモデルの推計の準備を行った.
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