各種シーリング目地の耐疲労性の比較と目地設計への適用

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12750508
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 宮内 博之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40313374)
• キーワード: シーリング材 / 耐疲労性 / ムーブメント / 目地 / 隅角 / 応力集中 / ロッキング変形 / 固定方法

研究概要

カーテンウォールのロッキング変形に対するシーリング十字目地の耐疲労性の評価を研究目的として、以下の研究成果が得られた。
(1)カーテンウォールのロッキング変形に対するシーリング目地の動きの把握
カーテンウォールの固定方法としてロッキング方式を用いた場合、シーリング目地でのムーブメントがどのように変化するかを検討した。その結果、ロッキング変形に対するシーリング十字目地の動きは、パネル固定間距離とパネルの横幅の比(F/W)に依存し、これにより縦目地と横目地の複合変位性じることを示した。
(2)ロッキング変形用疲労試験装置の試作とその評価
カーテンウォールのロッキング変形を再現する疲労試験機を製作し、ロッキング変形した場合のシーリング目地の耐疲労性を簡便に評価できることを示した。
(3)シーリング目地に関する一般目地と十字目地の耐疲労性
シーリング十字目地の試験体を作成し、縦目地と横目地のムーブメントの大きさを変えて疲労試験を行なった。その結果、十字目地の隅角部では一般目地に比べ早い段階で亀裂が発生した。また、十字目地の耐疲労性は、横目地の動きの影響をうけ、縦目地と横目地が同一変位量となる場合、最も耐疲労性が低下した。
(4)シーリング十字目地の耐疲労性の予測
数値解析の結果、F/Wの値により、往・復の変位で隅角部の応力レベルが変化することを示した。また、この影響が耐疲労性にどの程度影響を与えるかについて考察を試みた。往・復の応力レベルが異なる場合の亀裂発生回数の計算法について示し、F/Wが変化した場合の亀裂発生回数の関係について明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] Kyoji Tanaka, Hiroyuki Miyauchi, Takayuki Hirai: "Effect of Cross Sectional Size and Shape on Fatigue Resistance of Sealing Joints by Shear Movement"Durability of Building and Construction Sealants, Proceedings of the Third International RILEM Symposium. 87-96 (2000)
• [文献書誌] Hiroyuki Miyauchi, Kyoji Tanaka: "New Shear Fatigue Test Method for Building Sealants and Some Tests of Sealants with Various Shapes"Durability of Building and Construction Sealants, Proceedings of the Third International RILEM Symposium. 275-285 (2000)
• [文献書誌] 宮内博之, 田中享二: "ムーブメントに対するシーリング目地隅角部と目地一般部の耐疲労性の評価"日本建築学会大会学術講演梗概集A. 47-48 (2000)
• [文献書誌] 宮内博之, 田中享二: "シーリング目地隅角部の耐疲労性とその改善方法"日本建築学会関東支部研究報告集. 13-16 (2000)
• [文献書誌] 宮内博之, 田中享二: "ムーブメントに対するシーリング目地隅角部と目地一般部の耐疲労性の評価"第5回韓国・日本建築材料・施工ジョイントシンポジウム. 5. 303-306 (2000)
• [文献書誌] 宮内博之, 田中享二: "ロッキング変形に対するシーリング目地十字部の耐疲労性"日本建築学会大会学術講演梗概集A. 721-722 (2001)
• [文献書誌] 表淳珠, 宮内博之, 田中享二: "シーリング材の耐剪断疲労性に関わる目地隅角部の曲率の影響"日本建築学会大会学術講演梗概集A. 723-724 (2001)
• [文献書誌] 宮内博之, 田中享二: "外壁のロッキング変形に対するシーリング交差目地の耐疲労性"日本建築学会関東支部研究報告集. 1-4 (2001)