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2000 年度 実績報告書

1847年善光寺地震被害と短周期微動から得られる地盤振動特性の関係

研究課題

研究課題/領域番号 12750509
研究機関信州大学

研究代表者

田村 修次  信州大学, 工学部, 助教授 (40313837)

キーワード善光寺地震 / 微動 / H / Vスペクトル / 卓越周期 / 地震被害
研究概要

1.1847年善光寺地震の被害分布
善光寺地震における被害分布を文献調査で検討した。その結果、(1)長野盆地において飯山から麻績にかけての西側で家屋の倒壊率が高く、東側で家屋の倒壊率が低いこと、(2)善光寺周辺では火災が発生したこと、(3)長野市西部の山地では土砂災害が多く発生したこと、(4)山地崩壊による犀川の堰き止めが引き起こした水害は、長野市付近を中心に広範囲に及んだことが分かった。土砂災害や水害を受けた地域の家屋の被害は、地震動によるか二次災害によるか不明である。そこで、土砂災害、水害を受けずに、家屋倒壊の原因が地震動によると考えられる飯山市、更埴市を微動観測の対象とした。
2.古い木造家屋の固有周期
歴史地震における被害原因を検討するうえで、当時の木造家屋の固有周期は重要である。そこで、明治初期に造られた木造家屋について微動観測を行った。得られた固有周期は0.25〜0.4秒であり、1934年に計測された木造家屋の固有周期(0.3〜0.6秒)とほぼ一致した。善光寺地震当時の家屋の固有周期を正確に把握することは難しいが、現在の木造家屋のそれ(0.1〜0.2秒)に比べて、2〜3倍程度長周期であったと考えられる。
3.微動観測による地盤特性の推定と地震被害分布の比較
飯山市、更埴市において大被害および小被害地域を横断するように、地盤の微動観測を行った。得られたH/Vスペクトルから地盤特性を推定した。その結果、飯山市の場合、大被害の地域では表層に軟弱層が存在し、小被害の地域では岩盤が露出していることが分かった。また、更埴市の場合、大被害の地域では地盤の卓越周期が古い木造家屋の固有周期と一致し、小被害の地域では地盤の卓越周期と木造家屋の固有周期が大きく異なることが分かった。以上から、善光寺地震における家屋被害分布の差異を、微動観測から推定される地盤特性の違いで説明できる可能性を示した。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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