まず、T病院一般病院における病室環境の現状に関する看護婦ヒアリングを行い、現状を把握した。その他、ホスピス、緩和ケア病棟にもヒアリングを行った。その際に一般病棟の1室を対象として、居住性の向上、患者の状況に合わせることの出来る可変空間の創造を目指した改修計画を企画した。空間を分割して使えるよう工夫し、患者のニーズに細かく対応できる空間的配慮を形にした。改修が間に合えば、この病室を利用した環境整備の実験的アプローチによる調査を展開することが可能である。また、N病院の緩和ケア病棟開設計画のアドバイスを通して、ヨハネ会桜町病院ホスピスの全面協力により、視察と討議を行い、ホスピス建築のあるべき姿や配慮点に関して情報収集ならびに調査協力を得ることが出来た。 12月には豪州におけるホスピスの視察を行い、病室の環境整備の実態と音楽療法の実態の現地調査を行った。さらに人的交流を深め、今度の海外事例調査の調査協力を取りつけた。 年度中には、上記の実践を通した情報収集のベースと信頼をもとに、病室ならびに病棟の音の実測を伴なう、療養環境の音に関するアンケート・ヒアリング調査を、ホスピス、一般病院、緩和ケア病棟の各施設において実施する。
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