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2000 年度 実績報告書

中性子・X線回折法によるスズ単結晶の構造相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12750579
研究機関筑波大学

研究代表者

高橋 美和子  筑波大学, 物質工学系, 助手 (70272169)

キーワード構造相転移 / 金属・非金属転移 / 中性子散乱 / X線散乱
研究概要

平成12年度はスズのα相-β相間での構造相関、それらの転移の過程、中間相の存在の有無などを調べる目的でβスズ単結晶を育成し、単結晶中性子回折法によりβ→α相における回折パターンの時間変化の測定を行た。実験は高エネルギー加速器研究機構物質科学研究所の中性子散乱施設KENSに設置された単結晶回折装置FOXを用いた。FOXは研究者本人が装置責任者として維持、改良を行っている装置であり、白色パルス中性子と1次元に並べた36本の検出器を組み合わせることにより単結晶を用いて逆格子空間を効率良く、低ノイズで測定できる回折計である。この装置では広い2次元逆格子空間が一度の測定で試料を動かすこと無く測定できるため、本研究のような構造相転移における回折パターンの変化の測定には最適である。研究者がブリッジマン法を用いて育成した単結晶の(010)面を約-40℃の過冷却状態で測定した結果、約6時間後に相転移が始まり、12時間の測定で次のような興味の有るパターンの変化が観測された。ブラッグ反射強度は[001]と[101]軸上のピークで各々異なる時間変化を示した。[101]軸上のピークは転移開始後、急激に強度が低下した。一方、[001]軸上のピークは転移終了まで強度の減少は少なく、結晶が転移にに伴う膨張により粉末状に変化し転移が終了する直前で強度が減少した。また、相転移後半ではβ相では禁制反射となっている(104)、(304)などの位置に系統的なピークが新たに現われ、転移終了直前まで観測された。これらの結果はα相-β相の間でそれぞれの軸間に強い相関を持ちながら転移が進んでいること、また、中間相が存在することを示唆している。この情報を基に、来年度は3次元逆格子空間の測定によるより詳細なデータを得るために英国ラザフォード・アップルトン研究所中性子散乱施設で実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Miwako Takahashi: "Atomic and Magnetic Short- range Order in a Pt -8.8 at % Mn spin-glass alloy"Physical Revew B. 61. 3528-3533 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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