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2000 年度 実績報告書

カルボン酸塩テンプレートを用いた酸化物チューブの合成

研究課題

研究課題/領域番号 12750603
研究機関島根大学

研究代表者

宮路 史明  島根大学, 総合理工学部, 助教授 (80219782)

キーワードチューブ / テンプレート / 有機結晶 / カルボン酸 / アンモニウム / 酸化物 / ゾル-ゲル法 / アルコキシド
研究概要

本年度は種々のカルボン酸について,テンプレート(カルボン酸アンモニウム)の種類や反応条件が,チューブの形状や孔構造に与える影響を系統的に調べ,これによりシリカチューブの微細構造を精密に制御するための条件を明らかにすることを目的とした。
まず種々のカルボン酸(dl,l,meso-酒石酸,シュウ酸,クエン酸,dl,l-リンゴ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸)を種々の割合で添加した水あるいはエタノールにアンモニア水を加え,析出する結晶の組成及び形状を,粉末X線回折ならびに走査型電子顕微鏡観察により調べた。dl,l-酒石酸はエタノール中で,シュウ酸は水中で針状結晶を生成した。meso-酒石酸,クエン酸,dl-リンゴ酸はエタノール中で粒子状白沈を生じた後再溶解した。コハク酸はエタノール中で花びら状に成長した針状結晶を生成した。生成した結晶はいずれもカルボン酸アンモニウムあるいはその水和物と考えられた。l-リンゴ酸,グルタル酸及びマロン酸は水中,エタノール中いずれにおいても結晶テンプレートを生成しなかった。
次にテンプレートの生成が見られたカルボン酸について,各カルボン酸をエタノール/水溶液に溶解した後,シリコンアルコキシド(TEOS)を加えて10〜30分間放置し,アンモニア水を加えて30〜120分間静置した。生成物を63μmのふるい上(dl,l-酒石酸,シュウ酸),あるいは1〜10μmのメンブランフィルター上(その他の酸)で水洗し,これを光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡により観察した。その結果,溶液中で結晶テンプレートを生成したカルボン酸については,dl-酒石酸の場合と同様にシリカが針状テンプレートの両端面に付着せずに側面だけに析出した場合にはチューブ(dl,l-酒石酸,シュウ酸,コハク酸)が生成し,テンプレートの全面にシリカが析出した場合には,テンプレートの形状に対応した枝状(meso-酒石酸)や俵状(クエン酸,dl-リンゴ酸)のシリカが生成することが明らかとなった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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