研究概要 |
高温投下型熱量計を用いて,0.75≦N_<Te>≦1.0のテルルのモル分率領域,700〜1300Kの温度範囲でZn-Te2元系合金の熱含量を測定した。得られた熱含量値に基づき熱含量-組成-温度相関図を作成し,Zn-Te2元系の状態図の決定を行った。本研究で決定されたTe rich側の共晶温度は720Kを示し,Massalskiらの集録値に比べ2K低い値を示す。また本研究により導出された液相線はMassalskiらの集録値と±10K以内で良い一致を示した。 得られたZn-Te2元系の熱含量値と,KnackeらのZnTe化合物の標準生成熱と標準生成エントロピ変化を用いて,熱力学解析法の適用により1300KにおけるZn-Te2元系の積分混合自由エネルギ,積分混合熱,積分混合エントロピの導出を試みた。この系の混合熱は,純粋テルル側で僅かに吸熱を示し,亜鉛濃度の増加に伴い発熱を示す。 導出された積分混合自由エネルギに基づき,1300KにおけるZn-Te2元系の各成分の活量を算出した。亜鉛の活量は純粋テルル側でラウル則に比べ僅かに正偏倚を示し,融体中の亜鉛濃度の増加に伴い負に偏倚する。また,テルルの活量は測定全組成範囲にわたり負偏倚を示す。
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