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2000 年度 実績報告書

新規無機陰イオン交換体の開発及び触媒への展開

研究課題

研究課題/領域番号 12750687
研究機関東京工業大学

研究代表者

岡本 昌樹  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10262263)

キーワード陰イオン交換体 / アルミノホスフェート / モレキュラーシーブ
研究概要

陰イオン交換能を持つ代表的なものに,陰イオン交換樹脂がある.これは骨格が有機物でできているため,熱安定性が低い.また,無機陰イオン交換体である層状複水酸化物(ハイドロタルサイトなど)も200℃以上で構造が壊れる.このように,陰イオン交換体で熱安定性の高い物質は報告されていない.そこで,本研究では高温で安定な新規無機陰イオン交換体の開発を行った.
イオン交換体の母体には,500℃以上でも構造が壊れないアルミノホスフェート・モレキュラーシーブNo.5(AlPO_4-5,AFI構造)を選んだ.AlPO_4-5は4配位のAlとPがOを介して結合した物質である.3価のAlの代わりに4価のSiを導入できれば,電荷のバランスを補うため陰イオンが必要となり,この陰イオンがイオン交換可能となると考えられる.しかし,AlPO_4-5の合成ゲルにSiを入れて水熱合成した場合,Siは5価のPの代わりに骨格に入り,陰イオン交換体は生成せず陽イオン交換体ができる.そこで,まず,骨格に2価または3価の金属(Me:Zn,Co,Fe)が骨格に入ったAlPO_4-5(MeAPO-5)を合成した.2価または3価のMeは,Alサイトに入ることが知られている.その後,酢酸で100℃,14時間処理することにより,Meの抽出を行った.その結果,Znのみ選択的に骨格から取り出せた.Znを取り除いたあとにできた空孔に4価のSiを入れることができれば,陰イオン交換体が生成する.次に,500℃で26kPaのSiCl_4蒸気を5時間,Znを取り除いたAlPO_4-5に供給し,骨格内へのSiの導入を行った.得られた試料をNaNO_3水溶液でイオン交換することにより,試料にNO_3^-が取り込まれた.以上の結果から,陰イオン交換体の生成したことがわかった.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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