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2000 年度 実績報告書

アポトーシス耐性能付与による、人工臓器に適した新規有用動物細胞株の創製

研究課題

研究課題/領域番号 12750700
研究機関福井大学

研究代表者

寺田 聡  福井大学, 工学部, 助手 (60311685)

キーワードアポトーシス / 人工臓器 / 細胞療法 / 人工肝臓 / 羊膜上皮細胞 / HepG2 / bcl-2 / アンモニア代謝
研究概要

有効なハイブリッド型人工肝臓の実現を目指した。ハイブリッド型人工肝臓では、肝細胞系の細胞が用いられており、人工肝臓が長期の利用に耐えられない原因の一つにアポトーシスという細胞死を想定した。一般的に、アポトーシスを抑制する蛋白としてBcl-2がよく知られている。そこで、bcl-2遺伝子をヒト肝癌細胞に導入することでアポトーシスを抑制し、肝機能の持続を目指した。
次のように実施した。肝ガン細胞株HepG2にBCMG-bcl-2をリポフエクチン法で導入した。細胞死耐性は、培地を交換しない回分培養で検討した。アルブミン産生は、培養上清をELISA法で定量した。アンモニアは、細胞の入った各ディッシュにNH3負荷培地を加えてNH3濃度の経日変化をアンモニアテストワコー(和光純薬)により測定した。
その結果、次の結果を得た。bcl-2遺伝子の発現は、Western blotting法により確認した。bcl-2の過剰発現によって細胞死への耐性は、SF-O2培地(三光純薬)を用いた19日間の回分培養では、未導入株の生存率7.0±1.4%に対してbcl-2導入株では73±1%と大幅に改善された。アルブミン産生は細胞死耐性ほどには改善せず、bcl-2導入によって30%程度の向上しか認められなかった。アンモニア代謝能力は、他の多くの肝癌系細胞株と同様に、未導入株・bcl-2導入株も双方とも、除去するよりもむしろ産生していた。
アンモニア代謝能については、株化した肝細胞株では失われていることが知られている。そこで、グルタミンシンテターゼ経路によるアンモニア代謝能を付与された肝細胞株(大阪大学、大政博士より入手)を対象に上記と同様の検討を開始した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Satoshi Terada: "Inducing Proliferation of Human Amniotic Epithelial (HAE) Cells for Cell Therapy"Cell Transplantation. 9. 701-704 (2000)

  • [文献書誌] Keiko Matsuura : "Synthesis and Release of Erythropoietin by Human Amniotic Epithelial Cells"The Journal of Tokyo Medical College. (in press).

  • [文献書誌] M.Kawahara: "Lysozyme-dependent proliferation switch : hematopoietic and hybridoma cell growth control with the use of antibody/gp130 chimera"Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects. (in press).

  • [文献書誌] Satoshi Terada : "Establishment novel cell line for artificial liver"Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects. (in press).

  • [文献書誌] 日本動物細胞工学会: "動物細胞工学ハンドブック"朝倉書店. 342 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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