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2000 年度 実績報告書

芳香環のスタッキングを利用した分子ワイヤーの作成

研究課題

研究課題/領域番号 12750725
研究機関千葉大学

研究代表者

福井 啓二郎  千葉大学, 工学部, 助手 (80312932)

キーワードπ電子スタッキング / 分子ワイヤー / 励起状態相互作用 / エキシマー / オリゴマー / 逐次合成法
研究概要

本研究では、連続したπ電子スタッキングを有する化合物の合成法の開拓と物性評価を目的としている。これまでに、次の3点について検討してきた: (1)πスタッキング形態の異なる2種類の2量体(シクロファン)を合成した。このとき、2つの芳香環の距離や配向を結合鎖により固定した。X線結晶構造解析により分子構造を解析したところ、分子設計通り、完全なface-to-face型と30度の傾きをもったface-to-edge型の構造をとっていることが示された。また2つのベンゼン間の距離は4Åと決定された。この構造におけるスタッキング相互作用を検討すると。2つのベンゼン環の間には電子的な相互作用がほとんどないことがわかった。この結果は複数の芳香環の間でπ電子相互作用をおこさせるにはもっと短い距離にしなければならないことを示唆しており、今後、分子設計を行う上で重要な示唆を与えた。 (2)より大きな芳香環としてアントラセンを選び、スタッキング相互作用について調査した。ここでは2つのアントラセンの配向形態に着目した。2つのアントラセンを結合鎖でつなぎ、この鎖上に様々な置換基を導入することで、配向を制御した。この時の相互作用を調べたところ、スタッキングの配向をかえることでアントラセン間の相互作用が大きく変化することが分かり、距離とともに配向形態が相互作用を制御するうえで極めて重要であるとの結論をえた。(3)最後にπ電子スタッキングを連続させる逐次合成法について検討した。逐次合成のためには、効率的な伸長反応とポリマー化を防ぐ保護基の設計が鍵となる。そこで、伸長反応としてはエーテル結合を選択し、水酸基を選択的に保護することで2量体、3量体の合成が可能となった。今後はより高次のオリゴマーについても合成し、スタッキング相互作用について検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 福井啓二郎: "DNAを反応場とする電子移動"電気化学および工業物理化学. 68(12). 992-995 (2000)

  • [文献書誌] Urano,Hara,Fukui,Karatsu,Kitamura et al.: "Sensitization Mechanisms of Subphthalocyanine in Photopolymer Coating Layer"Journal of Photopolymer Science and Technology. 13(5). 691-696 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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