申請者の考案によるパルスレーザー照射による超微粒子付着法を用いて、付着超微粒子の粒径分布と付着密度を制御し、超微粒子を多次元的に組織化することを試みた。さらに、多孔質テフロンを用いて、多孔質材料内部での超微粒子付着のパターン化と微小電極化を試みた。今年度は以下の点について検討を行った。 1:レーザーや超微粒子溶液の条件を変えて、付着超微粒子の粒径分布や密度を制御することを試みた。 金属超微粒子溶液には金粒子と金/銀混合粒子のシクロヘキサン溶液を用いた。溶液中の粒子の粒径や基板の性質を変えた場合に、レーザー照射によって付着する粒子の粒径分布と固定量がどのように変化するかをSEMや吸光光度計を用いて観察した。新水性の基板と比較して疎水性基板を用いると粒子の固定量が減少することが明らかになった。また、長鎖の保護剤を用いることで固定状態での粒子の分散性を向上させることができることがわかった。 2:レーザー照射に伴う溶液中の粒子の状態変化を定量的に評価した。 金微粒子にレーザーを照射した際の粒子の形状/サイズ/凝集状態を吸収スペクトル/TEM/動的光散乱を用いて評価した。最初のレーザー照射によって粒子はフラグメンテーションを起こすことが示唆された。 3:薄膜の物性評価の手段を確立する。 マルチチャンネル検出器を購入し、反射スペクトルを測定できる測定系を作成した。10-4オーダーの吸光度の測定が可能になった。また、テフロン多孔質材料に対しても粒子の固定が可能であり、固定粒子を触媒点として無電解メッキを行うことによりテフロンベース微小電極を作成可能であることが明らかになった。
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