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2000 年度 実績報告書

アルケン類の電解ジカルボキシル化による1,2-ジカルボン酸の環境低負荷型合成

研究課題

研究課題/領域番号 12750753
研究機関北海道大学

研究代表者

仙北 久典  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50241360)

キーワード電解カルボキシル化 / 環境調和 / アルケン / ジカルボン酸 / 二酸化炭素 / 電解還元 / 反応性電極 / マグネシウム陽極
研究概要

研究計画に従い、スチレンを基質に用いてアルケン類の電解ジカルボキシル化反応の反応条件を検討した。その結果、DMF中、陰極に白金板、陽極にマグネシウム棒、支持電解質にEt_4NClO_4を用い、二酸化炭素をバブリングしながら-10℃で、電流密度25mA/cm^2,通電量3F/molの条件下定電流電解を行うと、スチレンの電解ジカルボキシル化反応が容易に進行し、相当するフェニルコハク酸を転化率73%、収率66%(反応したスチレンをから90%)で得ることができた。同様の反応条件を用いて様々なフェニル置換アルケンの電解ジカルボキシル化反応を行ったところα-メチルスチレンやβ-メチルスチレン、スチルベン、1.1-ジフェニルエチレンなどいずれの基質を用いた場合も、相当するジカルボン酸をそれぞれ68%、70-77%、84-91%、93%の高収率で得ることができた。また、1.2-ジヒドロナフタレンや1-フェニルシクロヘキセンのような環状アルケンでも本反応は問題なく進行し、それぞれ73%、65%の収率で相当するシクロアルカン-1.2-ジカルボン酸が得られた。
一方、反応経路の考察のためにそれぞれの基質のサイクリックボルタンメトリーの測定を行った結果、基質の還元電位にある程度の差が見られ、二酸化炭素の還元電位との相関により基質によって反応経路が異なることが示唆された。
以上のように、マグネシウム陽極を用いる電解ジカルボキシル化反応によりフェニル置換アルケンから相当する1.2-ジカルボン酸を高転化率かつ高収率で、しかも従来法と比較して短段階かつ環境低負荷型で合成することに成功した。本成果は、2000環太平洋国際化学会議をはじめとする学会・シンポジウム等で既に発表され、学術論文としてSynlettに投稿し、現在印刷中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hisanori Senboku: "Efficient Electrochemical Dicarboxylation of Phenyl-substituted Alkenes : Synthesis of 1-Phenylalkane-1,2-dicarboxylic Acids"Synlett. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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