研究概要 |
優れた一電子還元力とルイス酸性を併せ持つ三価チタン錯体部位と、アルキン・アルケンの高次環化付加反応に極めて有効なルテニウム錯体部位の双方を併せ持つ前・後周期ハイブリッド錯体として、ジシクロペンタジエニルチタノウムクロリドとシクロペンタジエニルルテニウムジクロリドをジメチルシリル基で架橋した錯体を設計した。この錯体の合成には、既知化合物である4,4,8,8-tetramethyl-8-sila-4-stannatetrahydr-s-indaceneを用いることとし、これを調製しシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリドとの反応を行ったが、目的とする錯体は得られなかった。そこで次に、シクロペンタジエニンと三級ホスフィンを併せ持つ配位子を新規に調製し、チタノセンと後周期遷移金属ホスフィン錯体のハイブリッド錯体の合成を検討中である。
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