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2000 年度 実績報告書

ヨウ化アンモニウム塩を還元剤とする高活性低原子価金属の新規調製法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 12750762
研究機関京都大学

研究代表者

忍久保 洋  京都大学, 工学研究科, 助手 (50281100)

キーワード四級アンモニウム塩 / 四塩化チタン / 低原子価チタン / ピナコール / エノラート / アルドール / ニオブ
研究概要

1.ヨウ化四級アンモニウム塩と四塩化チタンを混合するだけで容易に四塩化チタンが還元されることを見いだした。さらにこの低原子価チタンが従来の三塩化に比べてチタン高い反応性を示すことを明らかにした。生成した低原子価チタンを用いて高立体選択的ピナコールカップリング反応を開発することができた。特に、アセトフェノンを用いた場合には、従来の反応剤では不可能であった非常に高い立体選択性が発現することを発見した。官能基選択性について検討した結果、エステル、ニトロ基など様々な官能基を損なうことなく高い立体選択性でピナコールカップリング反応を行うことができた。また、この低原子価チタン反応剤にα-ブロモケトンやα-ブロモエステルを作用させると、臭素が速やか還元されチタンエノラートが生成することも明らかにした。一方この四塩化チタン-ヨウ化四級アンモニウム塩混合反応剤にα,β不飽和アルデヒド、ケトンを加えると、ヨウ素の付加を伴って効率良くチタンエノラートが生成することを見いだした。このようにして生成したチタンエノラートにアルデヒドを作用させると高収率かつ高立体選択的にアルドール付加体が得られることが明らかになった。
2.ヨウ化四級アンモニウム塩を還元剤として五塩化ニオブを還元して低原子価金属反応剤を調製することができることを見いだした。これを用いると、芳香族アルデヒドのピナコールカップリングが低原子価チタンを用いたとき以上の極めて高い選択性で進行することが明らかとなった。
3.テトラアルコキシチタンとカリウムt-ブトキシドを混合して得られる反応剤が従来は困難であったアルデヒド間のアルドール反応に極めて有効であることを見いだした。従来の反応系に見られる脱水縮合体は全く生成しないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takayuki Tsuritani: "TiCl_4-n-Bu_4NI as a Reducing Reagent : Pinacol Coupling and Enolate Formation from α-Haloketones"J.Org.Chem.. 65・16. 5066-5068 (2000)

  • [文献書誌] Zhenfu Han: "A Highly Effective Aldol Reaction Mediated by Ti(O-n-Bu)_4/t-BuOK Combined Reagent"Tetrahedron Lett.. 41・22. 4415-4418 (2000)

  • [文献書誌] Zhenfu Han: "Enolate Formation from Cyclopropyl Ketones via Iodide-Induced Ring Opening and Its Use for Stereoselective Aldol Reaction"Tetrahedron. 57・6. 987-995 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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