研究概要 |
これまでに我々が開発した光学活性ケイ素化合物合成法を利用して合成した光学活性スタニルシランのアルキルリチウムによる切断反応により、光学活性シリルリチウムの立体選択的合成法の確立に成功した(J.Organomet.Chem.,611,20(2000))。得られたシリルリチウムの立体配置は、THF溶液中-78℃で1時間以上安定であることを明らかにした。 得られた光学活性シリルリチウムのクロロシランへの求核置換反応について検討した。生成するジシランは光学純度をほぼ維持しており、この反応が立体選択的に進行していることを見出した(Org.Lett.,in preparation)。 分子量制御した直鎖状オリゴシランの電気化学的性質についても検討した。シラン2〜8量体の室温、アセトニトリル溶液中でのサイクリックボルタンモグラムは、鎖長の増加とともに、酸化電位が低下することを見出すとともに、いずれも不可逆な酸化波形を示し、これらの酸化状態が不安定であることを見出した(Phys.Chem.Chem.Phys.,In preparation)。
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