研究概要 |
・非定常負荷時のウェーブレットによる非定常相関 まず,シミュレーション及び相関の高い音響信号を用いて行った.Chirp信号と調波構造を持つ信号にて行い,コヒーレンスのみでなく信号の自己相似性の解析も可能であることを明らかにした.その知見に基づき,非定常負荷をかけた場合の非定常相関解析を行った.機関室及び室内振動と音響の非定常相関解析を行った.これにより,負荷変動時の特異点を抽出が可能であることを明らかにした.具体的には,定常時の各所の振動信号をモデリングして,基底ウェーブレットとすることにより,急減速時室内騒音の異音解析も可能とした.これは従来のフーリエ解析に基づく方法では検出が不可能であった. ・ウェーブレットを用いたアクティブノイズコントロール(ANC)参照信号の探査 ウェブレットによる非定常相関係数からANC参照信号の探索を行った.即ち,エンジン各所の振動が変動を伴う場合も,どの点が参照信号として最適であるかを評価することが可能となった.これを用いたワークステーション内のANCシミュレーションにより,消音量の可能性を調査した.16chDATで機関室や制御対象となる部屋内パネル振動を参照信号として,制御対象となる部屋の音響信号を所望信号とした制御を行った.これまでの研究においては機関そのものと音響のコヒーレンス解析から機関振動を参照信号として制御を行っていたが,今回の解析によりパネル振動の方が参照信号としてはより有効である結果が得られた.この結果より,現在,目標とする20dBの消音効果を船室内シミュレーションにおいて一部の帯域で得ることに成功している.
|