研究概要 |
1.試験片の準備 20cm×20cm×20cmの花崗岩ブロックと凝灰岩ブロックを入手し,直径30mm長さ60mmの円柱形の試験片を,それぞれ,5本づつ作製した。試験片を蒸留水中に放置し重量の測定を行った結果,両岩石ともに,放置後約一ヶ月で重量変化が認められなくなり,含水飽和状態に到った。このときの花崗岩と凝灰岩の含水比は,それぞれ,約0.5%,20%であった。 2.差応力負荷型凍結融解試験装置の開発 (1)差応力負荷型凍結融解槽の試作:材料試験機の加圧板が貫入できるように,凍結融解槽の上面と下面の中央部に直径80mmの円孔を設けた。円孔の周囲を熱伝導率の小さなパッキンで保護するとともに,加圧板の側面を耐熱シートで覆った。また,凍結融解槽の側面に直径30mmの計測用の小孔を設けた。その後,凍結融解槽内の温度を周期的に変化させるため,プログラム内蔵型の温度制御装置を取り付けた。凍結融解槽内で材料試験機により試験片に一定の応力を与えながら,凍結融解槽内の温度を-10℃〜+20℃の間で変化させてみた結果,試験片の表面温度もほぼ-10℃〜+20℃の間で変化すること,一定応力の大きさが±2%以内に保たれることを確認した。 (2)計測装置のチェック:低温用ひずみゲージを岩石試験片の側面に貼りつけ,凍結融解槽内で温度変化を与え,ひずみの測定を行った。このとき,線膨張係数が既知の石英ガラスを基準とし,温度変化によるひずみゲージの見かけひずみを補正することにより,試験片の真のひずみが評価できることを確認した。
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